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水産レポート > 漁模様 オホーツクサーモン 記録的不漁が確定的に 2011/09/02 12:00 pm
オ海建マス記録的不漁が確定的に
今年は確か「豊漁年」だったはず・・また入れ替わったの?
8月末で6千トン台の水揚げにとどまる
浜値も記録的高値 1等良品310円台に乗せる

8月後半の盛り返しが期待されていたオホーツク海の建マス(オホーツクサーモン)水揚げが、大きな漁の山を迎えることなく収束に向かっている。
主力の網走管内では8月最終の今週に入ってすでに日産合計100トンを下回るまでに数量を減らしており、道漁連北見支店の8月末時点の集計は概算で6100トンと不漁年だった前年同期の7700トンをも下回る厳しい情勢。
近年では平成15年に豊漁年と不漁年が入れ替わったが、再び入れ替わったような不漁ペースで推移しており、これ以降時期的にも大きく増加する見通しにないことから豊漁年の年回りながら近年では平成18年並みの記録的な不振で終わりそうだ。
今期の建マス漁は盛漁期の8月に入ってから終始低調なペースで推移。
それでも不漁年の年回りとなった前年同期に比べれば多い水準で、浜では「豊漁年にしてはやや物足りない」といったムードも。
長らく大きなシケがなく、川水の流入の少なさなどが不調の要因ではとも指摘されていた。
しかし、勝負と見られた親魚確保の休漁を挟んだ盆明け再開初日も、網走管内合計で日産700トン台と豊漁年の年回りにしては異例に少ない水準にとどまり、その後も1000トン超えがみられないまま徐々にボリュームを落とし、ここ数日は薄漁のために網起しを休む漁場も出てきたためさらに水揚げ数量は減り、すでに終盤の様相となっている。
(続きは週刊サケ・マス通信誌面でお読み下さい)
(週刊サケ・マス通信 2011.09/02配信号に掲載)
今年は確か「豊漁年」だったはず・・また入れ替わったの?
8月末で6千トン台の水揚げにとどまる
浜値も記録的高値 1等良品310円台に乗せる

8月後半の盛り返しが期待されていたオホーツク海の建マス(オホーツクサーモン)水揚げが、大きな漁の山を迎えることなく収束に向かっている。
主力の網走管内では8月最終の今週に入ってすでに日産合計100トンを下回るまでに数量を減らしており、道漁連北見支店の8月末時点の集計は概算で6100トンと不漁年だった前年同期の7700トンをも下回る厳しい情勢。
近年では平成15年に豊漁年と不漁年が入れ替わったが、再び入れ替わったような不漁ペースで推移しており、これ以降時期的にも大きく増加する見通しにないことから豊漁年の年回りながら近年では平成18年並みの記録的な不振で終わりそうだ。

それでも不漁年の年回りとなった前年同期に比べれば多い水準で、浜では「豊漁年にしてはやや物足りない」といったムードも。
長らく大きなシケがなく、川水の流入の少なさなどが不調の要因ではとも指摘されていた。
しかし、勝負と見られた親魚確保の休漁を挟んだ盆明け再開初日も、網走管内合計で日産700トン台と豊漁年の年回りにしては異例に少ない水準にとどまり、その後も1000トン超えがみられないまま徐々にボリュームを落とし、ここ数日は薄漁のために網起しを休む漁場も出てきたためさらに水揚げ数量は減り、すでに終盤の様相となっている。
(続きは週刊サケ・マス通信誌面でお読み下さい)
(週刊サケ・マス通信 2011.09/02配信号に掲載)
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水産レポート > 商品紹介 魚醤油「鮭太郎」と「鱒次郎」 新千歳空港で販売開始し人気の兆し 2011/08/30 1:30 pm
網走第一水産加工協の魚醤油
「鮭太郎」「鱒次郎」
新千歳空港でも販売開始
販路広げ人気の兆し

網走ザンギ丼に続き、昨年は「きらりっぷ」の認証も
網走第一水産加工業協同組合が製造販売している手造り魚醤油「鮭太郎」と「鱒次郎」が評判を呼んでいる。
平成20年にオホーツクサーモンを具材にした新ご当地グルメとして網走市が開発した「オホーツク網走ザンギ丼」の味付けに採用されたのに続き、昨年は道産食品独自認証制度(きらりっぷ)への登録も完了、このほど新千歳空港のアンテナショップにも置かれるようになるなど販路が広がっており、人気の兆しをみせはじめている。
サケトバづくりがヒントに
全国唯一の「オホーツクサーモン」の魚醤油
本品は、前浜で水揚げされる鮮度抜群の秋サケとカラフトマスを原料に、米麹と酵素でじっくりと発酵・熟成された逸品。
こくと深みのある旨味が特色で和洋中どんな料理にもマッチする。
薄口の「鮭太郎」と濃口の「鱒次郎」の『おいしい兄弟』のセットで120ミリリットルと200ミリリットルの2種類が市販されているほか、「めんつゆ」などの素材として業務用としてのの販売も行っている。
開発を始めたのは今から十数年前にさかのぼる平成11年で、サケトバ製造を行っていた際に同組合の田中正彦常務が「こうした製品には魚醤油が馴染むのではないか」との着想を持ったのがきっかけ。
東京農業大学や道食品加工研究センターなどの協力を得ながら多くの試行錯誤の末に品質改良に努め、2年後の平成15年に完成に至った。
現在ではサケ・マス素材に限らず多くの製品が世に出るようになり、認知も進んだが魚醤油だが、本製品はこうした魚醤油製品のパイオニアの1つに数えられている。
特に旬の時期が限られるカラフトマス(オホーツクサーモン)を原料とした魚醤油は全国でも本品のみ。
主に網走市内のスーパーや土産物店、道の駅など地元を中心に販売されているが、他ではなかなか手に入れられないのが難点でユーザーからの問い合わせも時折寄せられていた。
しかし、今年の新千歳空港のリニューアルに合せて整備された「北海道ショールーム」での販売が開始されるなど徐々に販路は広がっており、今後の展開にも期待がかかる。
エゾシカ肉を使った「鹿醤油」の試作も
「醤油は奥が深い」と話す田中常務は、道東方面を中心に増えすぎたことで農業被害などの問題が起きているエゾシカの肉を使った醤油造りにも挑戦し、試作段階ながら製品を完成させている。
「『鹿醤油』とでも呼べばいいのか。知り合いからもらった肉でやってみた。エゾシカは加工歩留まりが低く食べられる部位が少ないのが難で、これを有効活用する意味でも挑戦してみたが良い仕上がりとなった。市販までいける可能性はある」と新たな展開も視野に入れる。
問い合わせは、網走第一水産加工業協同組合まで。
網走市能取港町3丁目2番地TEL0152−47−2088
(週刊サケ・マス通信 2011.08/30配信号に掲載)
「鮭太郎」「鱒次郎」
新千歳空港でも販売開始
販路広げ人気の兆し

網走ザンギ丼に続き、昨年は「きらりっぷ」の認証も
網走第一水産加工業協同組合が製造販売している手造り魚醤油「鮭太郎」と「鱒次郎」が評判を呼んでいる。
平成20年にオホーツクサーモンを具材にした新ご当地グルメとして網走市が開発した「オホーツク網走ザンギ丼」の味付けに採用されたのに続き、昨年は道産食品独自認証制度(きらりっぷ)への登録も完了、このほど新千歳空港のアンテナショップにも置かれるようになるなど販路が広がっており、人気の兆しをみせはじめている。
サケトバづくりがヒントに
全国唯一の「オホーツクサーモン」の魚醤油
本品は、前浜で水揚げされる鮮度抜群の秋サケとカラフトマスを原料に、米麹と酵素でじっくりと発酵・熟成された逸品。
こくと深みのある旨味が特色で和洋中どんな料理にもマッチする。
薄口の「鮭太郎」と濃口の「鱒次郎」の『おいしい兄弟』のセットで120ミリリットルと200ミリリットルの2種類が市販されているほか、「めんつゆ」などの素材として業務用としてのの販売も行っている。
開発を始めたのは今から十数年前にさかのぼる平成11年で、サケトバ製造を行っていた際に同組合の田中正彦常務が「こうした製品には魚醤油が馴染むのではないか」との着想を持ったのがきっかけ。
東京農業大学や道食品加工研究センターなどの協力を得ながら多くの試行錯誤の末に品質改良に努め、2年後の平成15年に完成に至った。
現在ではサケ・マス素材に限らず多くの製品が世に出るようになり、認知も進んだが魚醤油だが、本製品はこうした魚醤油製品のパイオニアの1つに数えられている。
特に旬の時期が限られるカラフトマス(オホーツクサーモン)を原料とした魚醤油は全国でも本品のみ。
主に網走市内のスーパーや土産物店、道の駅など地元を中心に販売されているが、他ではなかなか手に入れられないのが難点でユーザーからの問い合わせも時折寄せられていた。
しかし、今年の新千歳空港のリニューアルに合せて整備された「北海道ショールーム」での販売が開始されるなど徐々に販路は広がっており、今後の展開にも期待がかかる。
エゾシカ肉を使った「鹿醤油」の試作も
「醤油は奥が深い」と話す田中常務は、道東方面を中心に増えすぎたことで農業被害などの問題が起きているエゾシカの肉を使った醤油造りにも挑戦し、試作段階ながら製品を完成させている。
「『鹿醤油』とでも呼べばいいのか。知り合いからもらった肉でやってみた。エゾシカは加工歩留まりが低く食べられる部位が少ないのが難で、これを有効活用する意味でも挑戦してみたが良い仕上がりとなった。市販までいける可能性はある」と新たな展開も視野に入れる。
問い合わせは、網走第一水産加工業協同組合まで。
網走市能取港町3丁目2番地TEL0152−47−2088
(週刊サケ・マス通信 2011.08/30配信号に掲載)
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水産レポート > 輸出・輸入 今期秋サケ輸出 過去にない特殊状況下でどう動くか 2011/08/26 12:00 pm
今期秋サケ輸出
過去にない特殊状況下でどう動くか
-厳しい来遊見通し-低水準在庫-放射性物質問題-超円高-
不透明感強める、各要因のせめぎ合い
総来遊は過去10年で2番目に低かった前年並みか
さけます・内水試が算定した今期当初予想来遊数は全道で4100万尾。
平成20年に次いで過去10ヵ年で2番目に低かった前年実績並みの低位の来遊が推定されており、高位継続が予想されるオホーツク海区を除けば、えりも以東を主体に今期も全般に厳しい来遊が想定されている。
昨年の不漁に加えて震災に伴う三陸方面の在庫喪失により、原料については親子ともにショート感が強く、在庫水準は極めて低い状況。
ヒネ物が少なく、さらに三陸方面を含めて今期生産に一部不安の残る中での漁期入りとなるため、消流に目を向けると通常年であれば過熱スタートが警戒されるようなシーズンだ。
しかし、震災と原発事故による放射性物質問題が今期を単なる「無い物高」の年ではなくしており、ドレス製品ベースで年間5〜6万トン、実に全生産量の半分に近い割合を占めるまでに成長した輸出の行方が最大の懸案事項となる。
国内価格の底支えとなっているのは当然ながら、天然魚として欧州での需要も年々高まりをみせており、現状では日本・中国の需給双方にとって欠くことのできない大きな商材だ。
超円高、各種証書手続きなど輸出に強い逆風
震災後一時は再開に至ったものの、汚染牛の流通問題によって中国政府側の規制緩和の保留が一部で伝えられるなど、依然として予断を許さない情勢が続く。
ただ、安全証明書添付による輸出に道筋が付いたことに加えて中国サイドの加工意欲についても例年並みにおう盛と伝えられている情勢を考えれば、長期間の輸出停滞は考えにくい。
楽観的に見れば、今後沈静化に向かい今期も10月上旬の中国の祭事「国慶節」以降輸出が活性化するものと期待される。
輸出の本格化時期がずれ込めばずれこむほど、商社筋にとっては在庫のリスクと経費がかさんで痛手となる。
各種証書手続きや検査などに伴う経費増とタイムロスなども重たくのしかかり、これに浜値の高騰が加われば「白旗」を挙げざるを得ない情勢も予想される。
見方によっては放射能問題よりも大きなネックとなりそうなのが「超円高」で、輸出業者にとって今期は特に厳しい商売を余儀なくされそうな状況にある。
関係者は「輸出が停滞して今後サンマ、イカが豊漁となれば冷凍庫のバッティング問題が出てくる。中国側の規制が長引けばベトナム、タイ向けの輸出が増えるかもしれない」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/26配信号に掲載)
過去にない特殊状況下でどう動くか
-厳しい来遊見通し-低水準在庫-放射性物質問題-超円高-
不透明感強める、各要因のせめぎ合い
総来遊は過去10年で2番目に低かった前年並みか
さけます・内水試が算定した今期当初予想来遊数は全道で4100万尾。
平成20年に次いで過去10ヵ年で2番目に低かった前年実績並みの低位の来遊が推定されており、高位継続が予想されるオホーツク海区を除けば、えりも以東を主体に今期も全般に厳しい来遊が想定されている。
昨年の不漁に加えて震災に伴う三陸方面の在庫喪失により、原料については親子ともにショート感が強く、在庫水準は極めて低い状況。
ヒネ物が少なく、さらに三陸方面を含めて今期生産に一部不安の残る中での漁期入りとなるため、消流に目を向けると通常年であれば過熱スタートが警戒されるようなシーズンだ。
しかし、震災と原発事故による放射性物質問題が今期を単なる「無い物高」の年ではなくしており、ドレス製品ベースで年間5〜6万トン、実に全生産量の半分に近い割合を占めるまでに成長した輸出の行方が最大の懸案事項となる。
国内価格の底支えとなっているのは当然ながら、天然魚として欧州での需要も年々高まりをみせており、現状では日本・中国の需給双方にとって欠くことのできない大きな商材だ。
超円高、各種証書手続きなど輸出に強い逆風
震災後一時は再開に至ったものの、汚染牛の流通問題によって中国政府側の規制緩和の保留が一部で伝えられるなど、依然として予断を許さない情勢が続く。
ただ、安全証明書添付による輸出に道筋が付いたことに加えて中国サイドの加工意欲についても例年並みにおう盛と伝えられている情勢を考えれば、長期間の輸出停滞は考えにくい。
楽観的に見れば、今後沈静化に向かい今期も10月上旬の中国の祭事「国慶節」以降輸出が活性化するものと期待される。
輸出の本格化時期がずれ込めばずれこむほど、商社筋にとっては在庫のリスクと経費がかさんで痛手となる。
各種証書手続きや検査などに伴う経費増とタイムロスなども重たくのしかかり、これに浜値の高騰が加われば「白旗」を挙げざるを得ない情勢も予想される。
見方によっては放射能問題よりも大きなネックとなりそうなのが「超円高」で、輸出業者にとって今期は特に厳しい商売を余儀なくされそうな状況にある。
関係者は「輸出が停滞して今後サンマ、イカが豊漁となれば冷凍庫のバッティング問題が出てくる。中国側の規制が長引けばベトナム、タイ向けの輸出が増えるかもしれない」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/26配信号に掲載)
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水産レポート > 漁模様 岩手県の平成23年秋サケ来遊予測 前年並みの602万尾、約2万トン 2011/08/22 1:30 pm
岩手県 平成23年度秋サケ来遊予測
前年並みの602万尾、約2万トン
年齢組成は3、4歳魚主体か
岩手県水産技術センターはこのほど、今年度の岩手県秋サケ回帰予報を発表した。
これによると今期の回帰水準は前年をやや上回る602万尾、約2万トンと推定、増殖技術が確立された近代以降では最も少ない水準に落ち込んだ前年並みの厳しい来遊を予測した。
来遊盛期は例年同様の11月下旬が中心となる見通し。
昨年の同県の秋サケ回帰数量は563万尾、1万9000トン。
約900万尾、3万トンの実績だった一昨年に比べてわずか6割の水準で、ここ10年ほどは1000万尾水準、少ない年でも700万尾台、重量換算で3万?前後のレベルを維持してきたが、一気に落ち込んだ形となっていた。
予測はシブリング法を用いて行われ、年齢組成では前年よりも3、4歳魚が多くなり、5歳魚が少なくなると予測されている。
回帰尾数の地区別割合は放流稚魚の割合などから、県北部が24%、県央部が42〜43%、県南部が33〜34%となっている。
このほか、東日本大震災に伴い県内の定置網にも甚大な被害が生じていることから、サケの河川そ上が多くなり捕獲採卵に悪影響を与える可能性があるとして注意を呼びかけている。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/19配信号に掲載)
前年並みの602万尾、約2万トン
年齢組成は3、4歳魚主体か
岩手県水産技術センターはこのほど、今年度の岩手県秋サケ回帰予報を発表した。
これによると今期の回帰水準は前年をやや上回る602万尾、約2万トンと推定、増殖技術が確立された近代以降では最も少ない水準に落ち込んだ前年並みの厳しい来遊を予測した。
来遊盛期は例年同様の11月下旬が中心となる見通し。
昨年の同県の秋サケ回帰数量は563万尾、1万9000トン。
約900万尾、3万トンの実績だった一昨年に比べてわずか6割の水準で、ここ10年ほどは1000万尾水準、少ない年でも700万尾台、重量換算で3万?前後のレベルを維持してきたが、一気に落ち込んだ形となっていた。
予測はシブリング法を用いて行われ、年齢組成では前年よりも3、4歳魚が多くなり、5歳魚が少なくなると予測されている。
回帰尾数の地区別割合は放流稚魚の割合などから、県北部が24%、県央部が42〜43%、県南部が33〜34%となっている。
このほか、東日本大震災に伴い県内の定置網にも甚大な被害が生じていることから、サケの河川そ上が多くなり捕獲採卵に悪影響を与える可能性があるとして注意を呼びかけている。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/19配信号に掲載)
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水産レポート > 漁模様 道内秋サケ漁 えりも以東、以西渡島で漁期当初に休漁措置 2011/08/19 12:30 pm
秋サケ解禁4日ずれ込み
十勝・日高で28日から
えりも以東、以西渡島で漁期当初に自主規制措置
今期秋サケ漁解禁を前に親魚確保に伴う各地区の自主規制措置の内容が決まった。
漁期当初から実施するのは、漁期を通して親魚の不足が予測されている東部地区(釧路〜根室の太平洋側エリア)を抱えるえりも以東海区全域と、前期群の不足が想定されているえりも以西海区の噴火湾〜道南地区(渡島エリア)で、えりも以東海区は初、渡島地区は昨年に続きこれで3年連続の休漁措置。
日高地区を除くえりも以東海区の免許上の操業始期は今月24日で、例年道内の先陣を切って水揚げ開始となるが、自主規制に伴い今シーズンは28日の十勝〜日高地区が最も早い網入れとなり、初水揚げが4日間ずれ込む形となる。
えりも以東海区の自主規制措置は、このほど開催された「えりも以東海区さけ定置漁業等調整協議会」の中で決定したもの。
同海区のうち特に東部地区は厳しい来遊予測により前中後期いずれの時期もそ上親魚が必要量を大きく下回る可能性が示されており、必要量が確保できる見通しの西部地区(十勝〜日高庶野エリア)も足並みを揃えた形。
実施内容は、根室地区(歯舞、落石、根室の3単協)および釧路地区(浜中〜白糠の7単協)の陸網で8日間、沖網で5日間、十勝地区(大津、大樹、広尾の3単協)の陸網で4日間、沖網で3日間、日高地区(えりも漁協)の陸網で1日間、沖網で3日間、それぞれ網入れを遅らせ、親魚確保の充足を図る。
沖網の規制は3日間の格差是正措置が含まれる。
これにより、操業始期は根室、釧路地区の陸網で9月1日、沖網で同2日から、十勝地区の陸網で8月28日、沖網で同31日から、日高地区の陸網で8月28日、沖網で9月3日からとなる。
実施後の親魚捕獲状況などをみて、さらに対応が必要と判断される場合は新たな規制措置について検討する。
一方、渡島地区は前年度と同様の取り決めで、9月1〜7日までの7日間自主規制を行う。胴網設置は4日以降、垣網設置は8日以降とし、小定置業者は期間中の垣網を撤去、大型定置については期間中のサケ漁獲高の3割を増殖負担金として拠出する。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/19配信号に掲載)
十勝・日高で28日から
えりも以東、以西渡島で漁期当初に自主規制措置
今期秋サケ漁解禁を前に親魚確保に伴う各地区の自主規制措置の内容が決まった。
漁期当初から実施するのは、漁期を通して親魚の不足が予測されている東部地区(釧路〜根室の太平洋側エリア)を抱えるえりも以東海区全域と、前期群の不足が想定されているえりも以西海区の噴火湾〜道南地区(渡島エリア)で、えりも以東海区は初、渡島地区は昨年に続きこれで3年連続の休漁措置。
日高地区を除くえりも以東海区の免許上の操業始期は今月24日で、例年道内の先陣を切って水揚げ開始となるが、自主規制に伴い今シーズンは28日の十勝〜日高地区が最も早い網入れとなり、初水揚げが4日間ずれ込む形となる。
えりも以東海区の自主規制措置は、このほど開催された「えりも以東海区さけ定置漁業等調整協議会」の中で決定したもの。
同海区のうち特に東部地区は厳しい来遊予測により前中後期いずれの時期もそ上親魚が必要量を大きく下回る可能性が示されており、必要量が確保できる見通しの西部地区(十勝〜日高庶野エリア)も足並みを揃えた形。
実施内容は、根室地区(歯舞、落石、根室の3単協)および釧路地区(浜中〜白糠の7単協)の陸網で8日間、沖網で5日間、十勝地区(大津、大樹、広尾の3単協)の陸網で4日間、沖網で3日間、日高地区(えりも漁協)の陸網で1日間、沖網で3日間、それぞれ網入れを遅らせ、親魚確保の充足を図る。
沖網の規制は3日間の格差是正措置が含まれる。
これにより、操業始期は根室、釧路地区の陸網で9月1日、沖網で同2日から、十勝地区の陸網で8月28日、沖網で同31日から、日高地区の陸網で8月28日、沖網で9月3日からとなる。
実施後の親魚捕獲状況などをみて、さらに対応が必要と判断される場合は新たな規制措置について検討する。
一方、渡島地区は前年度と同様の取り決めで、9月1〜7日までの7日間自主規制を行う。胴網設置は4日以降、垣網設置は8日以降とし、小定置業者は期間中の垣網を撤去、大型定置については期間中のサケ漁獲高の3割を増殖負担金として拠出する。
(週刊サケ・マス通信 2011.08/19配信号に掲載)
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水産レポート > 研究 根室海区カラフトマスの母川回帰性を探る 道総研水産研究本部成果発表会 2011/08/12 4:30 pm
カラフトマスの母川回帰性探る
道総研水産研究本部 成果発表会
根室海区当幌川で調査研究
今後の資源造成にも貢献

地方独立行政法人・北海道立総合研究機構水産研究本部は、道内各水産試験場で行っている研究開発、研究成果を広く公開する「平成23年度水産研究本部成果発表会」を8月9日、札幌市内中央区のかでる2・7で開催した。
冒頭、鳥澤雅水産研究本部長が挨拶。「3月の大震災で被災した東北地方が徐々に復旧していく様子をみて、水産業は地域経済を支える大きな存在だと改めて強く感じている。水産業では今、水産物を上手に利用して持続可能な資源にしていくことが大きなテーマ。各水産試験場ではそのための研究に取り組んでいる。北海道の優れた水産物を新鮮な状態で消費地に届け、またより価値の高いものとして評価を高めて、本道経済にも寄与できるように努めていきたい」と述べた。
研究成果発表は、口頭発表が7件、ポスター発表は7件で合計14件。
このうちサケ関連をみると口頭発表では、さけます・内水面水産試験場道東支場の虎尾充氏が「カラフトマスは生まれた川に戻ってくるのか?-根室海区におけるカラフトマスの母川回帰性-」というテーマで報告した。
カラフトマスの母川回帰性の程度はほかのサケ属魚類に比べ弱いとされており、特に日本での状況はよく分かっていない。そこで今回の研究では、標識を付けたカラフトマス稚魚を根室湾沿岸の河川から放流し、その回帰を調べた。
虎尾氏は「根室湾沿岸の河川に回帰した標識魚のうち偶数年生まれでは83%、奇数年生まれでは38%がそれぞれ放流した川で捕獲された。カラフトマスも一定の母川回帰性を持つが、年級群によって差がある可能性が示唆される」と語った。
一方、ポスター発表では、さけます・内水面水産試験場の安藤大成氏が「野生サケの研究からわかってきたこと−非放流河川に遡上するサケの集団評価−」を報告した。
同研究では、千歳川(放流河川)とその支流である漁川(非放流河川)に遡上するサケの遺伝的な解析と形態の比較を行い、漁川に遡上するサケの由来と特徴を検討した。
その結果、漁川の集団は遺伝的には千歳川の集団と類似していたが、形態には違いが見られた。漁川の集団は千歳川からの迷入ではなく、千歳川とは異なる環境でふ化していると推定された。
研究成果の活用策としては、野生魚の存在と生態を把握することは、サケ増殖事業を行う上で重要な情報になり、またエコラベル(MSC認証)取得の取り組みに当たり必要となる野生魚の情報としても役立てることができる−としている。
道総研水産研究本部 成果発表会
根室海区当幌川で調査研究
今後の資源造成にも貢献

地方独立行政法人・北海道立総合研究機構水産研究本部は、道内各水産試験場で行っている研究開発、研究成果を広く公開する「平成23年度水産研究本部成果発表会」を8月9日、札幌市内中央区のかでる2・7で開催した。
冒頭、鳥澤雅水産研究本部長が挨拶。「3月の大震災で被災した東北地方が徐々に復旧していく様子をみて、水産業は地域経済を支える大きな存在だと改めて強く感じている。水産業では今、水産物を上手に利用して持続可能な資源にしていくことが大きなテーマ。各水産試験場ではそのための研究に取り組んでいる。北海道の優れた水産物を新鮮な状態で消費地に届け、またより価値の高いものとして評価を高めて、本道経済にも寄与できるように努めていきたい」と述べた。
研究成果発表は、口頭発表が7件、ポスター発表は7件で合計14件。
このうちサケ関連をみると口頭発表では、さけます・内水面水産試験場道東支場の虎尾充氏が「カラフトマスは生まれた川に戻ってくるのか?-根室海区におけるカラフトマスの母川回帰性-」というテーマで報告した。
カラフトマスの母川回帰性の程度はほかのサケ属魚類に比べ弱いとされており、特に日本での状況はよく分かっていない。そこで今回の研究では、標識を付けたカラフトマス稚魚を根室湾沿岸の河川から放流し、その回帰を調べた。
虎尾氏は「根室湾沿岸の河川に回帰した標識魚のうち偶数年生まれでは83%、奇数年生まれでは38%がそれぞれ放流した川で捕獲された。カラフトマスも一定の母川回帰性を持つが、年級群によって差がある可能性が示唆される」と語った。
一方、ポスター発表では、さけます・内水面水産試験場の安藤大成氏が「野生サケの研究からわかってきたこと−非放流河川に遡上するサケの集団評価−」を報告した。
同研究では、千歳川(放流河川)とその支流である漁川(非放流河川)に遡上するサケの遺伝的な解析と形態の比較を行い、漁川に遡上するサケの由来と特徴を検討した。
その結果、漁川の集団は遺伝的には千歳川の集団と類似していたが、形態には違いが見られた。漁川の集団は千歳川からの迷入ではなく、千歳川とは異なる環境でふ化していると推定された。
研究成果の活用策としては、野生魚の存在と生態を把握することは、サケ増殖事業を行う上で重要な情報になり、またエコラベル(MSC認証)取得の取り組みに当たり必要となる野生魚の情報としても役立てることができる−としている。
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水産レポート > 系統団体 JA北海道グループが道漁協系統に震災復興の義援金を贈呈 2011/06/18 11:00 am
1次産業間で「震災復興」を支援
JA北海道グループが道漁協系統に義援金
7800万円 36漁協へ配分

東日本大震災に伴うJA北海道グループからの復興支援義援金の道内漁協系統への贈呈式が6月16日に水産ビルで行われた。
当日は北海道農業協同組合中央会の飛田稔章会長から道漁連の櫻庭武弘会長に集められた義援金2億4800万円のうち道内への割当分となる7800万円の目録が贈呈され、これに対してJFグループ側からは感謝状が手渡された=上写真=。
当日はJA側からJA道中央会の飛田会長を筆頭にJA道信連の菅原輝一会長、ホクレンの佐藤俊彰会長、JA道厚生連・共済連の加藤孝幸副会長ら、JF側からは道漁連・櫻庭会長はじめ、信漁連の安藤善則会長、道漁業共済組合・共水連の鎌田光夫組合長、道漁業信用基金協会の川崎一好理事長らが道漁協系統を代表して出席。
飛田会長は「同じ一次産業の仲間として何かやりたいという思いで義援金を集めさせていただき、復興を願って贈呈させて頂くこととした」とあいさつ。
これに対して櫻庭会長は「心から感謝する。道内も300億円を超える被害を受け大打撃となり、課題は山積の状態。浜の再生に向けて漁業者は作業に精を出しており、しっかりと対策を講じていきたい」と謝辞を述べた。
贈呈された7800万円については、被害の発生した太平洋側の36漁協に対して被害比率に応じて配分される。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/17配信号に掲載)
JA北海道グループが道漁協系統に義援金
7800万円 36漁協へ配分

東日本大震災に伴うJA北海道グループからの復興支援義援金の道内漁協系統への贈呈式が6月16日に水産ビルで行われた。
当日は北海道農業協同組合中央会の飛田稔章会長から道漁連の櫻庭武弘会長に集められた義援金2億4800万円のうち道内への割当分となる7800万円の目録が贈呈され、これに対してJFグループ側からは感謝状が手渡された=上写真=。
当日はJA側からJA道中央会の飛田会長を筆頭にJA道信連の菅原輝一会長、ホクレンの佐藤俊彰会長、JA道厚生連・共済連の加藤孝幸副会長ら、JF側からは道漁連・櫻庭会長はじめ、信漁連の安藤善則会長、道漁業共済組合・共水連の鎌田光夫組合長、道漁業信用基金協会の川崎一好理事長らが道漁協系統を代表して出席。
飛田会長は「同じ一次産業の仲間として何かやりたいという思いで義援金を集めさせていただき、復興を願って贈呈させて頂くこととした」とあいさつ。
これに対して櫻庭会長は「心から感謝する。道内も300億円を超える被害を受け大打撃となり、課題は山積の状態。浜の再生に向けて漁業者は作業に精を出しており、しっかりと対策を講じていきたい」と謝辞を述べた。
贈呈された7800万円については、被害の発生した太平洋側の36漁協に対して被害比率に応じて配分される。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/17配信号に掲載)
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水産レポート > 小売・消費 イクラは前年の供給減で市況回復基調に 2011/06/17 1:30 pm
今期秋サケは風評で輸出低迷を懸念
道漁連 16日開催の通常総会で
卵は前年の供給減で市況回復基調
道漁連(櫻庭武弘会長)の第62回通常総会が16日に開催され、前年度事業報告および今年度事業計画案などについて審議した。
業務報告によると、昨年度の事業総取扱は2762億円で、平成20年度以前の3000億円前後の水準にはとどかなかったものの、前年度に比べて約50億円上昇した。
主力の販売事業で不漁となったサケが315億円の扱いと前年度に比べ90億円ほども減産を強いられたが、ホタテ、サンマ、イカ、ナマコなどの品目で前年を上回る扱いを記録したことで総体では好転となった。
サケ輸出に関しては、減産となり円高で推移したものの概ね堅調で推移。
魚卵についても供給減により市況は回復傾向をたどったと分析した。
今年度の事業計画では品目別対策として主軸の秋サケの消流に関して、東日本大震災による原発事故の長期化が予想される中で各国の風評被害や輸入規制により輸出低迷が懸念されることから、これまで保たれてきた需給バランスが崩れ、国内市場についても混乱を招くことが危惧される。
このため、こうした情勢の急変に対応するため、従来から推進してきた国内販売を見直して効果的な諸対策を推進する方針で、生フィレの増産による旬の時期の消費拡大、熟成、冷凍フィレの増産、新商品開発などを実施していく。
また、輸出対策としては、相手国に対する安全性のアピール、円滑な輸出体制に向けた事務手続き簡素化などを行政に向けて働きかけていく。
卵製品については、旬の訴求による生鮮消流の拡大、イクラ製品の国内販促活動強化、需給調整を目的とした冷凍筋子の輸出促進などを重点的に取り組む。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/17配信号に掲載)
道漁連 16日開催の通常総会で
卵は前年の供給減で市況回復基調
道漁連(櫻庭武弘会長)の第62回通常総会が16日に開催され、前年度事業報告および今年度事業計画案などについて審議した。
業務報告によると、昨年度の事業総取扱は2762億円で、平成20年度以前の3000億円前後の水準にはとどかなかったものの、前年度に比べて約50億円上昇した。
主力の販売事業で不漁となったサケが315億円の扱いと前年度に比べ90億円ほども減産を強いられたが、ホタテ、サンマ、イカ、ナマコなどの品目で前年を上回る扱いを記録したことで総体では好転となった。
サケ輸出に関しては、減産となり円高で推移したものの概ね堅調で推移。
魚卵についても供給減により市況は回復傾向をたどったと分析した。
今年度の事業計画では品目別対策として主軸の秋サケの消流に関して、東日本大震災による原発事故の長期化が予想される中で各国の風評被害や輸入規制により輸出低迷が懸念されることから、これまで保たれてきた需給バランスが崩れ、国内市場についても混乱を招くことが危惧される。
このため、こうした情勢の急変に対応するため、従来から推進してきた国内販売を見直して効果的な諸対策を推進する方針で、生フィレの増産による旬の時期の消費拡大、熟成、冷凍フィレの増産、新商品開発などを実施していく。
また、輸出対策としては、相手国に対する安全性のアピール、円滑な輸出体制に向けた事務手続き簡素化などを行政に向けて働きかけていく。
卵製品については、旬の訴求による生鮮消流の拡大、イクラ製品の国内販促活動強化、需給調整を目的とした冷凍筋子の輸出促進などを重点的に取り組む。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/17配信号に掲載)
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水産レポート > 漁模様 復興方針まとまる東北沿岸部漁協 秋までの操業再開目指す 2011/06/10 12:30 pm
東北沿岸部漁協 復興方針まとまる
定置、カキ養殖など、秋までの操業再開目指す
漁船や資材の共同利用を「復興」の軸に掲げ
東日本大震災からちょうど3ヵ月。被災した東北沿岸部各地漁協などでは漁業の復興方針がまとまりつつあり、軸となる定置漁業や主力のカキ、ワカメなど養殖業で秋ごろまでの操業再開を目標に準備を進めたいとする地区が多い。
各地ともに(1)漁船や網など資材類の共同利用(2)出荷に欠かせない製氷施設の整備もしくは供給体制の構築―を再開への2大方針に掲げており、そのため単協の自己資金や借り入れ、補助金を駆使するなどしして必要最低限生産できる体制を整えたい意向だ。
生産者にとっては「まずは収入を得なければ」との思いも強い。
岩手県内では宮古市北部の下閉伊郡小本浜漁協で各地の先陣を切って5月末から定置網漁を再開させたほか、宮城県女川で今月末から、その他地区でも漁場に堆積するがれき撤去を進め、準備が整い次第定置網を敷設する。
この時期から秋口にかけてはマグロやブリなどがねらいで、10月以降からは主力の秋サケ本番時期を迎える。
もちろん課題は山積状態で、大部分が被災し使えなくなった漁協関連施設の整備をどうするのか、大きく地盤沈下した漁港沿岸部でどうやって今後の生産体制を維持していくのかなど、依然として高いハードルも残っている。
宮城 養殖銀ザケ
稚魚8割が無事 再開へ6割以上が意欲
宮城県特産の養殖銀ザケの操業再開に向けては、県漁協や取り扱いメーカーなどで組織する「宮城県養殖銀ざけ懇談会」内で6割を超える業者が再開に意欲的で、来シーズンの出荷再開に向けて何とか準備が進められそうな情勢だ。
本来なら今時期が出荷のピークに差し掛かる時期だが、海中飼育していた出荷目前の成魚は津波により施設ごと流出。
ただ、幸いにも来年出荷用の稚魚の多くが内陸山間部で中間飼育されているために難を逃れ、8割方の無事が確認されている。
再開に向けて種苗の面では問題ないが、稚魚を海中飼育に移さなければならいリミットは11月で、それまでにいけす網などの施設や漁船を整備しなければならない。
県漁協では「いけすを組むための鉄パイプをつくっている鉄工所や出荷先の加工メーカーなど関連業者の全てが被災しているため、稚魚の多くが残ってはいても再開初年度は数量的に多くはできないと思われる。今秋から来春にかけては給餌作業が主となるため小型船でも対応可能だが、漁協施設の大部分も被災し情勢は本当に厳しい」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/10配信号に掲載)
<関連記事>復興へ! 宮城の養ギン今秋から再開(サケ・マスtopics)
定置、カキ養殖など、秋までの操業再開目指す
漁船や資材の共同利用を「復興」の軸に掲げ
東日本大震災からちょうど3ヵ月。被災した東北沿岸部各地漁協などでは漁業の復興方針がまとまりつつあり、軸となる定置漁業や主力のカキ、ワカメなど養殖業で秋ごろまでの操業再開を目標に準備を進めたいとする地区が多い。
各地ともに(1)漁船や網など資材類の共同利用(2)出荷に欠かせない製氷施設の整備もしくは供給体制の構築―を再開への2大方針に掲げており、そのため単協の自己資金や借り入れ、補助金を駆使するなどしして必要最低限生産できる体制を整えたい意向だ。
生産者にとっては「まずは収入を得なければ」との思いも強い。
岩手県内では宮古市北部の下閉伊郡小本浜漁協で各地の先陣を切って5月末から定置網漁を再開させたほか、宮城県女川で今月末から、その他地区でも漁場に堆積するがれき撤去を進め、準備が整い次第定置網を敷設する。
この時期から秋口にかけてはマグロやブリなどがねらいで、10月以降からは主力の秋サケ本番時期を迎える。
もちろん課題は山積状態で、大部分が被災し使えなくなった漁協関連施設の整備をどうするのか、大きく地盤沈下した漁港沿岸部でどうやって今後の生産体制を維持していくのかなど、依然として高いハードルも残っている。
宮城 養殖銀ザケ
稚魚8割が無事 再開へ6割以上が意欲
宮城県特産の養殖銀ザケの操業再開に向けては、県漁協や取り扱いメーカーなどで組織する「宮城県養殖銀ざけ懇談会」内で6割を超える業者が再開に意欲的で、来シーズンの出荷再開に向けて何とか準備が進められそうな情勢だ。
本来なら今時期が出荷のピークに差し掛かる時期だが、海中飼育していた出荷目前の成魚は津波により施設ごと流出。
ただ、幸いにも来年出荷用の稚魚の多くが内陸山間部で中間飼育されているために難を逃れ、8割方の無事が確認されている。
再開に向けて種苗の面では問題ないが、稚魚を海中飼育に移さなければならいリミットは11月で、それまでにいけす網などの施設や漁船を整備しなければならない。
県漁協では「いけすを組むための鉄パイプをつくっている鉄工所や出荷先の加工メーカーなど関連業者の全てが被災しているため、稚魚の多くが残ってはいても再開初年度は数量的に多くはできないと思われる。今秋から来春にかけては給餌作業が主となるため小型船でも対応可能だが、漁協施設の大部分も被災し情勢は本当に厳しい」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/10配信号に掲載)
<関連記事>復興へ! 宮城の養ギン今秋から再開(サケ・マスtopics)
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水産レポート > 輸出・輸入 サケ輸出実績4月分 主力の中国向けが初のゼロ搬出に 2011/06/07 6:00 am
貿易統計 4月サケ輸出実績
主力の中国向け 初のゼロ搬出に
1-4月累計で前年3分の1の水準
貿易統計に基づく4月サケ輸出実績は単月で1000トン台を維持した前月から大幅に縮小し、183トンと極めて少ない水準に落ち込んだ。
昨年の秋サケの水揚げが一部を除き全般に不振となったことで年明けの搬出ペースは例年に比べて少ない水準だったが、3月の東日本大震災に伴う原発事故の影響を受けて中国向けが統計開始以来始めてゼロとなったのが大幅減の要因で、今後の新漁に向けて風評被害が懸念される状況。
4月の搬出は日本商社などの委託加工がメインとなるベトナム、タイが主体となった。
前年同月は5000トン台を記録しており、これに比べるとわずか30分の1のレベル。
1〜4月の累計実績は5500トンで、一昨年の好漁を反映して多かった前年同期の1万7600トンに比べると3分の1の水準と振るわない。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
主力の中国向け 初のゼロ搬出に
1-4月累計で前年3分の1の水準
貿易統計に基づく4月サケ輸出実績は単月で1000トン台を維持した前月から大幅に縮小し、183トンと極めて少ない水準に落ち込んだ。
昨年の秋サケの水揚げが一部を除き全般に不振となったことで年明けの搬出ペースは例年に比べて少ない水準だったが、3月の東日本大震災に伴う原発事故の影響を受けて中国向けが統計開始以来始めてゼロとなったのが大幅減の要因で、今後の新漁に向けて風評被害が懸念される状況。
4月の搬出は日本商社などの委託加工がメインとなるベトナム、タイが主体となった。
前年同月は5000トン台を記録しており、これに比べるとわずか30分の1のレベル。
1〜4月の累計実績は5500トンで、一昨年の好漁を反映して多かった前年同期の1万7600トンに比べると3分の1の水準と振るわない。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
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水産レポート > 漁法・道具 船上での活締めに有効「サケ脱血装置」を開発 2011/06/06 8:30 am
道総研工業試験場らが「サケ脱血装置」を開発
船上での活締めに有効
技術移転フォーラムで実機紹介・講演も
釧路水試との共同開発
道総研工業試験場(札幌市)が主催する「技術移転フォーラム2011・成果発表会」が2日に札幌市内のホテルで開催され、この中で開発が進められてきた活締め用の「サケ脱血装置」=写真=が紹介され、情報システム部の多田辰実・研究主幹が講演した。
本機は、工試が釧路水試と共同で開発を進めてきたもので、品質向上や魚価アップを目指して各地でサケの「活締め」作業が行われ始めていることに着目、船の上の限られたスペースで効率的に活締め作業ができる装置の開発に取り組んでいる。
魚体のサイズの違いに対応でき、さらに装置内で魚が暴れることを防止し的確に脱血処理を行う構造が取られている。
本装置は重量25キロ、寸法L120mm×W430mm×H500mmのコンパクトサイズ。
試験では一尾18秒で処理
大きな特徴は、水から出したサケが暴れるのを防止して確実に脱血するために通電による麻痺技術を導入した点。
標識放流を行う際など水産の現場でこれまで取られてきた電気を使った技術を取り入れており、やや傾斜した右側から挿入された魚はローラーで左側までに押し込まれ、ここで電気が通されてすぐに沈静化する。
この半固定した状態でエラ付け根部分に刃物を押し付けて太い血管を切断。
この血管は左右4対流れており、このうちの1本を確実に刃物でヒットさせることで、オスやメスで違う魚体サイズにもある程度対応できる仕様となっており、魚体のばらつきによる失敗を防止している。
昨年秋に標津漁協の協力で行った試験では、1尾当たりにかかる時間は約18秒で処理した。サケの残血量もほとんどなく適正な脱血ができることを確認した。
今後は完全自動化の検討やコスト面の改善、耐久性、安全性の向上などに取り組み、道内企業と共同で実用装置の開発を行う予定。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
船上での活締めに有効
技術移転フォーラムで実機紹介・講演も
釧路水試との共同開発

本機は、工試が釧路水試と共同で開発を進めてきたもので、品質向上や魚価アップを目指して各地でサケの「活締め」作業が行われ始めていることに着目、船の上の限られたスペースで効率的に活締め作業ができる装置の開発に取り組んでいる。
魚体のサイズの違いに対応でき、さらに装置内で魚が暴れることを防止し的確に脱血処理を行う構造が取られている。
本装置は重量25キロ、寸法L120mm×W430mm×H500mmのコンパクトサイズ。
試験では一尾18秒で処理
大きな特徴は、水から出したサケが暴れるのを防止して確実に脱血するために通電による麻痺技術を導入した点。
標識放流を行う際など水産の現場でこれまで取られてきた電気を使った技術を取り入れており、やや傾斜した右側から挿入された魚はローラーで左側までに押し込まれ、ここで電気が通されてすぐに沈静化する。
この半固定した状態でエラ付け根部分に刃物を押し付けて太い血管を切断。
この血管は左右4対流れており、このうちの1本を確実に刃物でヒットさせることで、オスやメスで違う魚体サイズにもある程度対応できる仕様となっており、魚体のばらつきによる失敗を防止している。
昨年秋に標津漁協の協力で行った試験では、1尾当たりにかかる時間は約18秒で処理した。サケの残血量もほとんどなく適正な脱血ができることを確認した。
今後は完全自動化の検討やコスト面の改善、耐久性、安全性の向上などに取り組み、道内企業と共同で実用装置の開発を行う予定。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
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水産レポート > 輸出・輸入 サケ・マス類輸入実績4月分 単価の高値傾向が顕著に 2011/06/03 10:00 pm
4月のサケ・マス類輸入
単価の高値傾向が顕著に
チリ産ギン、トラウト主体に累計10万トンの大台超え
財務省通関統計に基づく4月のサケ・マス類輸入実績は2万6772トン、166億9659万円となり、前年同月に比べて数量で2割、金額で3割それぞれ増加した(下表)。
実績の大部分がチリからの搬入で、内訳は冷凍ギン1万2000トンを筆頭にトラウト6500トン、フィレ製品5200トンなど。これで本年1〜4月の累計実績は10万8473トン、634億3880万円となり、前年同期に比べて数量、金額ともに約2割増え、数量では大台の10万トンを超えた。

昨年やや少ない水準で推移していたチリ産のギン、トラウトが復調傾向をみせているのが主な増加要因で、品目別の内訳は冷凍ギンが6万トン、同トラウトが1万8000トン、フィレが1万7000トン、生鮮・冷蔵アトランティックが7000トンなど。
ノルウェー産のアトランを除き大半がチリ産で占められる。
昨年から続く高単価傾向がより顕著となっており、単価は主力のギンで400円台半ば、トラウトで500円台半ば、ノルウェー産生アトランは1割高の800円台など、顕著な高値が続いている。
卵はスジコの単月搬入ゼロ、イクラは累計200トン突破
卵製品は、これまで主力だったデンマーク産が小休止となりスジコの搬入は4月期ゼロで累計約500トンの実績。前年同期に比べて数量、金額ともに2割減。イクラは米国産主体に累計200トン超えとなっており、前年同期に比べて数量で6割、金額で2倍強と復調傾向をたどっている。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
単価の高値傾向が顕著に
チリ産ギン、トラウト主体に累計10万トンの大台超え
財務省通関統計に基づく4月のサケ・マス類輸入実績は2万6772トン、166億9659万円となり、前年同月に比べて数量で2割、金額で3割それぞれ増加した(下表)。
実績の大部分がチリからの搬入で、内訳は冷凍ギン1万2000トンを筆頭にトラウト6500トン、フィレ製品5200トンなど。これで本年1〜4月の累計実績は10万8473トン、634億3880万円となり、前年同期に比べて数量、金額ともに約2割増え、数量では大台の10万トンを超えた。

昨年やや少ない水準で推移していたチリ産のギン、トラウトが復調傾向をみせているのが主な増加要因で、品目別の内訳は冷凍ギンが6万トン、同トラウトが1万8000トン、フィレが1万7000トン、生鮮・冷蔵アトランティックが7000トンなど。
ノルウェー産のアトランを除き大半がチリ産で占められる。
昨年から続く高単価傾向がより顕著となっており、単価は主力のギンで400円台半ば、トラウトで500円台半ば、ノルウェー産生アトランは1割高の800円台など、顕著な高値が続いている。
卵はスジコの単月搬入ゼロ、イクラは累計200トン突破
卵製品は、これまで主力だったデンマーク産が小休止となりスジコの搬入は4月期ゼロで累計約500トンの実績。前年同期に比べて数量、金額ともに2割減。イクラは米国産主体に累計200トン超えとなっており、前年同期に比べて数量で6割、金額で2倍強と復調傾向をたどっている。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/03配信号に掲載)
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水産レポート > イベント 南かやべ定置漁業協会 30日にエコラベル認証証書授与式を開催 2011/05/27 1:00 pm
南かやべ漁協定置漁業協会
MELジャパンエコラベル
定置漁業で全国初の取得
5月30日に函館で認証証書授与式
南かやべ定置漁業協会(野村譲会長)は、申請中だった「マリン・エコラベル・ジャパン」(MELジャパン)の生産段階認証を5月16日付で取得した。
30日には函館市の花びしホテルで認証証書授与式を開催する。定置漁業での認証は全国初。
「マリン・エコラベル・ジャパン」は、水産資源と生態系の保護に積極的に取り組んでいる漁業を認証し、水産エコラベルを貼付することで漁業を奨励・促進する制度で、2007年12月に発足。日本水産資源保護協会が審査を行っている。
「生産段階認証」と「流通加工段階認証」の2種類があり、「生産段階認証」は漁業が資源と生態系に配慮したものであることを認証、「流通加工段階認証」は生産段階認証を受けた漁業による水産物が、認証されていない他の水産物と混ざることなく流通・加工されることを認証するもの。
なお水産関連エコラベル制度ではこのほか、国際的な非営利団体の海洋管理協議会(本部・ロンドン)が、持続可能な水産業に対し認証を与えているMSCエコラベルが知られている。
今回のMELジャパンでの認証は、南かやべ漁協の定置漁業協会に所属する11経営体19カ統の定置網が対象。
授与式では、審査機関となる日本水産資源保護協会の下村正雄専務がMEL制度に関する講演を行うほか、協会側からの決意表明も行われる。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/27配信号に掲載)
MELジャパンエコラベル
定置漁業で全国初の取得
5月30日に函館で認証証書授与式
南かやべ定置漁業協会(野村譲会長)は、申請中だった「マリン・エコラベル・ジャパン」(MELジャパン)の生産段階認証を5月16日付で取得した。
30日には函館市の花びしホテルで認証証書授与式を開催する。定置漁業での認証は全国初。
「マリン・エコラベル・ジャパン」は、水産資源と生態系の保護に積極的に取り組んでいる漁業を認証し、水産エコラベルを貼付することで漁業を奨励・促進する制度で、2007年12月に発足。日本水産資源保護協会が審査を行っている。
「生産段階認証」と「流通加工段階認証」の2種類があり、「生産段階認証」は漁業が資源と生態系に配慮したものであることを認証、「流通加工段階認証」は生産段階認証を受けた漁業による水産物が、認証されていない他の水産物と混ざることなく流通・加工されることを認証するもの。
なお水産関連エコラベル制度ではこのほか、国際的な非営利団体の海洋管理協議会(本部・ロンドン)が、持続可能な水産業に対し認証を与えているMSCエコラベルが知られている。
今回のMELジャパンでの認証は、南かやべ漁協の定置漁業協会に所属する11経営体19カ統の定置網が対象。
授与式では、審査機関となる日本水産資源保護協会の下村正雄専務がMEL制度に関する講演を行うほか、協会側からの決意表明も行われる。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/27配信号に掲載)
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水産レポート > 漁模様 知床半島南北を挟んでサクラマスが好漁 2011/05/27 1:00 pm
北海道内沿岸 春定置網漁
知床半島南北を挟みサクラマス好漁
北海道内沿岸の春定置網漁は、5月大型連休前後から太平洋側の日高、釧路管内などで徐々に本格化の兆しをみせているが、オホーツク海側の知床方面ではサクラマスが好漁になっている。
知床半島を挟み南側に位置する羅臼漁協では現在3カ統が操業しており、1カ統当たりサクラ1000本程度が水揚げされている。
同地区の春定置は昨年、一昨年と連続して好漁に恵まれており、3年連続の豊漁の期待が高まっている。
丸モ田中漁業の田中英輔取締役は「トキは現在20〜30本ほどだが、以前に比べると良いペースで価格もまずまず。サクラは本数が多い分やや安い」と話す。
一方、知床北側の斜里第一漁協も多い日でサクラ7000本の好漁に沸いている。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/27配信号に掲載)
知床半島南北を挟みサクラマス好漁
北海道内沿岸の春定置網漁は、5月大型連休前後から太平洋側の日高、釧路管内などで徐々に本格化の兆しをみせているが、オホーツク海側の知床方面ではサクラマスが好漁になっている。
知床半島を挟み南側に位置する羅臼漁協では現在3カ統が操業しており、1カ統当たりサクラ1000本程度が水揚げされている。
同地区の春定置は昨年、一昨年と連続して好漁に恵まれており、3年連続の豊漁の期待が高まっている。
丸モ田中漁業の田中英輔取締役は「トキは現在20〜30本ほどだが、以前に比べると良いペースで価格もまずまず。サクラは本数が多い分やや安い」と話す。
一方、知床北側の斜里第一漁協も多い日でサクラ7000本の好漁に沸いている。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/27配信号に掲載)
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水産レポート > 小売・消費 震災の余波で塩サケ、フレーク製品の売り上げが急増 2011/05/20 12:30 pm
震災余波で塩サケ、
フレークの売り上げが急増
おにぎり具材などで需要増
流通筋は今後の売り上げ懸念
業界筋によると、今回の東日本大震災の影響でサケフレークの需要が急増、品薄状態が続いているという。
大津波による福島原発の事故で、その後に実施された計画停電が影響したものとみられており、日本スーパーマーケット協会の3月の集計によれば、おにぎりやご飯のおかずの需要が高まったことでサケフレーク製品やおにぎりの具材の定番となる塩サケや魚卵の売り上げが好調となった。
特に常温でも保存が効くサケフレークが停電地域周辺にとどまらず、防災意識の高まりなどから被災地以外でも求められたものと推察される。
道内漁協系統も震災発生直後すぐに救援物資としてサケフレーク500万円分を輸送している。
今期秋サケの最大の障害は海外「風評」か
中国輸出への影響危惧
国内経済をはじめ、国民生活全般に多大な影響をおよぼし続いている東日本大震災の余波。
サケ関連製品の売り上げが上昇したとは言えこれは一時的なもので、今後に向けて流通筋が最も懸念するのが製品売り上げの行方。
震災地域はサケ定置網、ギンザケ養殖の主力となる岩手、宮城両県で、産地であるのと同時にサケ需要の高いエリアでもあり、消費の減退は避けられない見通しだ。
また、海外からの風評被害も心配の種。水揚げされる秋サケの約半分は中国へと輸出され、これが浜値の底支えともなっている。
近年、引き合いの強弱を計る物差しとなっているのはロシアのサケ・マスで、中国サイドはロシアの好不漁を商談の駆け引き材料にしてきたが、今シーズンについては風評被害が最大の障害となりそうな情勢だ。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/20配信号に掲載)
フレークの売り上げが急増
おにぎり具材などで需要増
流通筋は今後の売り上げ懸念
業界筋によると、今回の東日本大震災の影響でサケフレークの需要が急増、品薄状態が続いているという。
大津波による福島原発の事故で、その後に実施された計画停電が影響したものとみられており、日本スーパーマーケット協会の3月の集計によれば、おにぎりやご飯のおかずの需要が高まったことでサケフレーク製品やおにぎりの具材の定番となる塩サケや魚卵の売り上げが好調となった。
特に常温でも保存が効くサケフレークが停電地域周辺にとどまらず、防災意識の高まりなどから被災地以外でも求められたものと推察される。
道内漁協系統も震災発生直後すぐに救援物資としてサケフレーク500万円分を輸送している。
今期秋サケの最大の障害は海外「風評」か
中国輸出への影響危惧
国内経済をはじめ、国民生活全般に多大な影響をおよぼし続いている東日本大震災の余波。
サケ関連製品の売り上げが上昇したとは言えこれは一時的なもので、今後に向けて流通筋が最も懸念するのが製品売り上げの行方。
震災地域はサケ定置網、ギンザケ養殖の主力となる岩手、宮城両県で、産地であるのと同時にサケ需要の高いエリアでもあり、消費の減退は避けられない見通しだ。
また、海外からの風評被害も心配の種。水揚げされる秋サケの約半分は中国へと輸出され、これが浜値の底支えともなっている。
近年、引き合いの強弱を計る物差しとなっているのはロシアのサケ・マスで、中国サイドはロシアの好不漁を商談の駆け引き材料にしてきたが、今シーズンについては風評被害が最大の障害となりそうな情勢だ。
(週刊サケ・マス通信 2011.05/20配信号に掲載)