サケ・マス通信ブログ - 復興方針まとまる東北沿岸部漁協 秋までの操業再開目指す
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復興方針まとまる東北沿岸部漁協 秋までの操業再開目指す2011/06/10 12:30 pm
東北沿岸部漁協 復興方針まとまる
定置、カキ養殖など、秋までの操業再開目指す
漁船や資材の共同利用を「復興」の軸に掲げ
東日本大震災からちょうど3ヵ月。被災した東北沿岸部各地漁協などでは漁業の復興方針がまとまりつつあり、軸となる定置漁業や主力のカキ、ワカメなど養殖業で秋ごろまでの操業再開を目標に準備を進めたいとする地区が多い。
各地ともに(1)漁船や網など資材類の共同利用(2)出荷に欠かせない製氷施設の整備もしくは供給体制の構築―を再開への2大方針に掲げており、そのため単協の自己資金や借り入れ、補助金を駆使するなどしして必要最低限生産できる体制を整えたい意向だ。
生産者にとっては「まずは収入を得なければ」との思いも強い。
岩手県内では宮古市北部の下閉伊郡小本浜漁協で各地の先陣を切って5月末から定置網漁を再開させたほか、宮城県女川で今月末から、その他地区でも漁場に堆積するがれき撤去を進め、準備が整い次第定置網を敷設する。
この時期から秋口にかけてはマグロやブリなどがねらいで、10月以降からは主力の秋サケ本番時期を迎える。
もちろん課題は山積状態で、大部分が被災し使えなくなった漁協関連施設の整備をどうするのか、大きく地盤沈下した漁港沿岸部でどうやって今後の生産体制を維持していくのかなど、依然として高いハードルも残っている。
宮城 養殖銀ザケ
稚魚8割が無事 再開へ6割以上が意欲
宮城県特産の養殖銀ザケの操業再開に向けては、県漁協や取り扱いメーカーなどで組織する「宮城県養殖銀ざけ懇談会」内で6割を超える業者が再開に意欲的で、来シーズンの出荷再開に向けて何とか準備が進められそうな情勢だ。
本来なら今時期が出荷のピークに差し掛かる時期だが、海中飼育していた出荷目前の成魚は津波により施設ごと流出。
ただ、幸いにも来年出荷用の稚魚の多くが内陸山間部で中間飼育されているために難を逃れ、8割方の無事が確認されている。
再開に向けて種苗の面では問題ないが、稚魚を海中飼育に移さなければならいリミットは11月で、それまでにいけす網などの施設や漁船を整備しなければならない。
県漁協では「いけすを組むための鉄パイプをつくっている鉄工所や出荷先の加工メーカーなど関連業者の全てが被災しているため、稚魚の多くが残ってはいても再開初年度は数量的に多くはできないと思われる。今秋から来春にかけては給餌作業が主となるため小型船でも対応可能だが、漁協施設の大部分も被災し情勢は本当に厳しい」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/10配信号に掲載)
<関連記事>復興へ! 宮城の養ギン今秋から再開(サケ・マスtopics)
定置、カキ養殖など、秋までの操業再開目指す
漁船や資材の共同利用を「復興」の軸に掲げ
東日本大震災からちょうど3ヵ月。被災した東北沿岸部各地漁協などでは漁業の復興方針がまとまりつつあり、軸となる定置漁業や主力のカキ、ワカメなど養殖業で秋ごろまでの操業再開を目標に準備を進めたいとする地区が多い。
各地ともに(1)漁船や網など資材類の共同利用(2)出荷に欠かせない製氷施設の整備もしくは供給体制の構築―を再開への2大方針に掲げており、そのため単協の自己資金や借り入れ、補助金を駆使するなどしして必要最低限生産できる体制を整えたい意向だ。
生産者にとっては「まずは収入を得なければ」との思いも強い。
岩手県内では宮古市北部の下閉伊郡小本浜漁協で各地の先陣を切って5月末から定置網漁を再開させたほか、宮城県女川で今月末から、その他地区でも漁場に堆積するがれき撤去を進め、準備が整い次第定置網を敷設する。
この時期から秋口にかけてはマグロやブリなどがねらいで、10月以降からは主力の秋サケ本番時期を迎える。
もちろん課題は山積状態で、大部分が被災し使えなくなった漁協関連施設の整備をどうするのか、大きく地盤沈下した漁港沿岸部でどうやって今後の生産体制を維持していくのかなど、依然として高いハードルも残っている。
宮城 養殖銀ザケ
稚魚8割が無事 再開へ6割以上が意欲
宮城県特産の養殖銀ザケの操業再開に向けては、県漁協や取り扱いメーカーなどで組織する「宮城県養殖銀ざけ懇談会」内で6割を超える業者が再開に意欲的で、来シーズンの出荷再開に向けて何とか準備が進められそうな情勢だ。
本来なら今時期が出荷のピークに差し掛かる時期だが、海中飼育していた出荷目前の成魚は津波により施設ごと流出。
ただ、幸いにも来年出荷用の稚魚の多くが内陸山間部で中間飼育されているために難を逃れ、8割方の無事が確認されている。
再開に向けて種苗の面では問題ないが、稚魚を海中飼育に移さなければならいリミットは11月で、それまでにいけす網などの施設や漁船を整備しなければならない。
県漁協では「いけすを組むための鉄パイプをつくっている鉄工所や出荷先の加工メーカーなど関連業者の全てが被災しているため、稚魚の多くが残ってはいても再開初年度は数量的に多くはできないと思われる。今秋から来春にかけては給餌作業が主となるため小型船でも対応可能だが、漁協施設の大部分も被災し情勢は本当に厳しい」と話している。
(週刊サケ・マス通信 2011.06/10配信号に掲載)
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