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サケ・マス通信ブログ - 第1回秋サケ・定置網セミナー 大型クラゲ来遊状況と対策について<後編>

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第1回秋サケ・定置網セミナー 大型クラゲ来遊状況と対策について<後編>2010/05/07 2:30 pm

大型クラゲの来遊状況と対策について=後編=

道立中央水産試験場 海洋環境部主任研究員
宮園章 氏


09年 沖合域でも顕著となった入網情報

宗谷海峡を抜けてオホーツク海沿岸でも大量出現

宗谷暖流の潜流化で被害が定置から底建へ変化


セミナー記事もくじのページへ

<前編からの続き>
北海道における09年のエチゼンクラゲの大量出現は、情報の多さからも見て取ることができる。道内でどのようにクラゲが出現をしたかという点を概観していくと、特徴的だったのが沖合域でのエチゼンクラゲの発見や入網報告が相次いだ点。
道内のエチゼンクラゲの報告は8月下旬の道南海域から始まり、10月には道北からオホーツク海沿岸での報告が相次ぎ、11月中旬まで大量入網の報告が途切れなかった。12月中旬以降は終漁の影響もあるが報告は減り、入網するクラゲの数も減少傾向をたどっていった。

特に顕著だった点を三つのトピックとして挙げる。
まずトピックの一つ目では、沖合のトロール網に頻繁に入網したことが挙げられる。10月の調査トロール網の曳網深度は100〜250mだった。曳網の途中の水深帯で入ったのか、曳網水深帯ではいったのかは定かでないが、例年に比べてはるかに多くのエチゼンクラゲが沖合の深い層に分布したものと思われる。
トピックの二つ目は宗谷暖流に関する点で、今年はオホーツク海の沿岸にもエチゼンクラゲが大量に出現した。その中で、11月上旬から下旬にかけてサケ定置網と沖底建網への入網伏況が大きく変化したことは興味深い現象といえる。
宗谷海峡を抜けて日本海からオホーツク海に流れる宗谷暖流は水温の高い夏には表層を流れる。表面水温が低下すると沖合のオホーツク海表層低塩分水より重くなり、沈み込んで潜流となるが、09年には11月6日から24日の間に表層流から潜流にスイッチしたことが衛星観測でも認められている。紋別沿岸におけるエチゼンクラゲの入網状況が、サケ定置から沖底建網ヘスイッチしたとの報告は、この現象とよく一致していた。


胆振、日高など太平洋側でクラゲ被害確認されず
津軽暖流の沿岸モード継続で青森以南に流入


トピックの三つ目は津軽暖流に関する話。日高や胆振の白老、登別沿岸のサケ定置網からのエチゼンクラゲ入網情報は05年にはあったが、09年にはなかった。津軽暖流は津軽海峡を抜けて太平洋に流出し、季節的に流路を大きく変化する。
例年では、冬から春には青森県尻屋岬から岸に沿って三陸方面に南下する状態「沿岸モード」にあるが、夏から秋には襟裳岬まで大きく張り出してから南下する「渦モード」といわれる状態となる。05年は例年通り「沿岸モード」から「渦モード」になった。
一方、09年には「沿岸モード」のままの状態が続いた。日高湾においてエチゼンクラゲの出現がなかったのはこうした流況を反映したと考えられる。


事例の積み重ねにより出現予測技術を確立へ

オ海への影響予測できる可能性も



水産庁が行っている大型クラゲの出現予測は日本海海況予測モデル(JADE)を使っている。これは海流や水温などの分布をスーパーコンピュータでモデル解析するシステムで、いつどのあたりにクラゲが出現するかという予測に応用しようとしている。
今年の予測は出現時期に関しては概ねよくあっていた。しかし、量的な論議ができる段階までには至っていないのが現状。前段のトピックで示したように、エチゼンクラゲの動きは北海道周辺を流れる暖流の挙動に大きく影響されることが分かった。まだ事例が少なく、今後こうしたデータを増やしていく取り組みを積み重ねて行けば、北海道独自のクラゲ出現短期予測技術の確立につながっていくのではと考える。
例えば、9月中下旬の日本海道南における沖合底建網や調査船によるトロール網調査の結果は沖合亜表層におけるエチゼンクラゲの分布伏況を示している。沖合からの出現報告頻度の高い年にはオホーツク海への影響を事前に予想できるようになる可能性がある。
また、万が一にクラゲが大発生し、網に大量入網した際には、駆除作業をする以外に具体的方法はないが、漁具にクラゲが入らないような工夫を施す試みも行われている。
大型クラゲ対策事業の一環で、網漁具の改良についてのマニュアルが作成されている。独立行政法人水産総合研究センターのHP、あるいはJAFICの大型クラゲに関するHPからこのマニュアルを入手することができる。
(2010.02/12配信号に掲載)

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