サケ・マス通信ブログ - オホーツク海除き全般に4年魚来遊低調に 2010年北海道秋サケ来遊動向
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オホーツク海除き全般に4年魚来遊低調に 2010年北海道秋サケ来遊動向2010/12/24 11:30 am
2010年北海道秋サケ来遊動向を解説
さけます・内水面水試が見解
北海道定置漁業協会 30周年記念フォーラム
オホーツク海除き全般に4年魚の来遊低調に
15日に札幌市で行われた北海道定置漁業協会主催の30周年記念フォーラムの中で、道総研さけます・内水面水試が「平成22年度の道内秋サケ来遊の特徴的な事象・知見について」と題して、これまでの解析結果などに基づく今期秋サケの来遊動向について見解を発表した。
発表に立ったさけます資源部の宮腰靖之主査はこの中で、本年は近年では平成20年に次いで少ない来遊となっていることを報告したほか、オホーツク海を除いて4年魚の回帰が全般に低調となったことが当初予測を大きく下回る要因となっている点などを指摘。
また、原因はまだはっきりしないものの、根室やえりも以東海区でここ数年、一年おきに4年魚が少なくなる来遊パターンがみられ、年級別では3年魚から4年魚への移行時の予測が非常に難しくなっていることなどを報告した。
今期の道内秋サケ来遊数は12月10日現在で3967万尾(沿岸漁獲3648万尾、河川捕獲319万尾)で、当初予測値および前年実績に比べていずれも約2割少ない状況となっている。
全体に4年魚の来遊が少なく2000万尾に届かなかった一昨年に近いパターンで、近年ではその平成20年に次ぐ下から2番目に少ない来遊となった。
地域別には、オホーツク海区が2166万尾(前年実績比111%・予測比93%)、根室海区が702万尾(同比66%・62%)、えりも以東海区が442万尾(同比57%・73%)、えりも以西海区が467万尾(同比56%・65%)、日本海区が187万尾(同比90%・80%)の内訳で、オ海のみ前年実績を上回り、他の4海区はいずれも前年実績、予測ともに下回る結果となった。
日本海は若齢魚が増加傾向
来年以降の復調に期待
オホーツク海は昨年、記録的な3年魚の来遊となったが4年魚の回帰はそこまで多くなく、5年魚が今期の来遊を支える形となった。
根室、えりも以東は4年魚が非常に少なく、原因は分かっていないものの両海区はここ数年、1年おきに4年魚が不漁となるパターンが続いている。
特にえりも以東海区の今期4年魚は、近年では少なかった1995年級群の来遊パターンに似ており、これと同じパターンになれば来年の5年魚についてもかなり厳しい状況が予想される。
日本海区はここ数年非常に少ない水準が続いているが、若年魚が多くなるとその後資源が回復する傾向がある。今期は3年魚が復調傾向をたどっており、今後の資源回復が期待される。
また、今期は漁期当初の異常高水温による来遊の遅れが指摘されたが、前年に比べオ海や日本海方面ではその傾向が見て取れたものの、その他地区については水温よりも全般的に資源が伸びなかった側面のほうが強かったとした。
道定置協会が創立30周年記念し札幌でフォーラム(関連記事 サケマスtopics)
(週刊サケ・マス通信 2010.12/24配信号に掲載)
さけます・内水面水試が見解
北海道定置漁業協会 30周年記念フォーラム
オホーツク海除き全般に4年魚の来遊低調に
15日に札幌市で行われた北海道定置漁業協会主催の30周年記念フォーラムの中で、道総研さけます・内水面水試が「平成22年度の道内秋サケ来遊の特徴的な事象・知見について」と題して、これまでの解析結果などに基づく今期秋サケの来遊動向について見解を発表した。
発表に立ったさけます資源部の宮腰靖之主査はこの中で、本年は近年では平成20年に次いで少ない来遊となっていることを報告したほか、オホーツク海を除いて4年魚の回帰が全般に低調となったことが当初予測を大きく下回る要因となっている点などを指摘。
また、原因はまだはっきりしないものの、根室やえりも以東海区でここ数年、一年おきに4年魚が少なくなる来遊パターンがみられ、年級別では3年魚から4年魚への移行時の予測が非常に難しくなっていることなどを報告した。
今期の道内秋サケ来遊数は12月10日現在で3967万尾(沿岸漁獲3648万尾、河川捕獲319万尾)で、当初予測値および前年実績に比べていずれも約2割少ない状況となっている。
全体に4年魚の来遊が少なく2000万尾に届かなかった一昨年に近いパターンで、近年ではその平成20年に次ぐ下から2番目に少ない来遊となった。
地域別には、オホーツク海区が2166万尾(前年実績比111%・予測比93%)、根室海区が702万尾(同比66%・62%)、えりも以東海区が442万尾(同比57%・73%)、えりも以西海区が467万尾(同比56%・65%)、日本海区が187万尾(同比90%・80%)の内訳で、オ海のみ前年実績を上回り、他の4海区はいずれも前年実績、予測ともに下回る結果となった。
日本海は若齢魚が増加傾向
来年以降の復調に期待
オホーツク海は昨年、記録的な3年魚の来遊となったが4年魚の回帰はそこまで多くなく、5年魚が今期の来遊を支える形となった。
根室、えりも以東は4年魚が非常に少なく、原因は分かっていないものの両海区はここ数年、1年おきに4年魚が不漁となるパターンが続いている。
特にえりも以東海区の今期4年魚は、近年では少なかった1995年級群の来遊パターンに似ており、これと同じパターンになれば来年の5年魚についてもかなり厳しい状況が予想される。
日本海区はここ数年非常に少ない水準が続いているが、若年魚が多くなるとその後資源が回復する傾向がある。今期は3年魚が復調傾向をたどっており、今後の資源回復が期待される。
また、今期は漁期当初の異常高水温による来遊の遅れが指摘されたが、前年に比べオ海や日本海方面ではその傾向が見て取れたものの、その他地区については水温よりも全般的に資源が伸びなかった側面のほうが強かったとした。
道定置協会が創立30周年記念し札幌でフォーラム(関連記事 サケマスtopics)
(週刊サケ・マス通信 2010.12/24配信号に掲載)