サケ・マス通信ブログ - 5万トンの大台突破が確実な情勢に 秋サケ輸出
ヘッダーナビゲーション
5万トンの大台突破が確実な情勢に 秋サケ輸出2010/12/17 8:30 am
10月単月で前年比4割増の1万9000トン
秋サケ輸出
年間累計では5万トンの大台確実に
財務省貿易統計に基づく今年10月の秋サケ輸出実績は、主力の中国向けを主体に搬出盛期に入ったことで大きく拡大、単月で1万9160トンと前年同月を約4割上回る高水準の搬出を記録した。
新物スタートとなった9月は走りの低調な水揚げ動向を反映して1000トンを割り込む近年最低レベルの搬出となったが、水揚げの拡大に伴い輸出数量も一気に上向いた形。
ただ、順調な水揚げが続いたことでこの後も年末まで安定的に搬出された昨年の動向とは違い、今期は水揚げの減少とフィレ価格の高値、さらに急速な円高基調に見舞われるなど輸出環境は大きく悪化しているため、今後の搬出レベルは大幅な後退も予想される情勢だ。
年間の累計実績では昨シーズン物の年明け搬出分が好調に推移したこともあって、あと2カ月を残す10月末段階ながら4万トン台半ばに付けており、円高に伴う逆風が吹く中ながら本年は5万トンの大台突破が確実な状況となっている。
輸出キロ平均単価は310円と前年比13%アップ
10月単月の輸出実績の内訳は主力の中国向けが1万7715トンで全体の9割を占め、残るタイ向けが1021トン、ベトナム、南アフリカへ200トン弱などが主だったところ。
日本商社筋の委託加工が大半を占め、製品が日本へ再輸出されるタイ、ベトナム向け以外、中国向けの大半は製品化され欧米へ向かう。
単価は309円で、前年同期の274円に比べて13%アップ。今シーズン9月下旬からの水揚げ復調に伴って一気に搬出が本格化した格好だが、最悪のタイミングで円高が直撃。大部分が為替差損をかぶりながらの契約消化を余儀なくされていると思われる。
先行の北海道地区は10月半ば以降一部地区を除いて急速に水揚げが縮小し前年比2割減でほぼ終漁、続く岩手県も盛期に入り復調も減産傾向が避けられない状況となっており、今後輸出が大きく伸びる環境にはないため、11月以降の搬出実績が注目される情勢だ。
ただ、昨シーズンの順調な秋サケ水揚げと搬出状況を反映して年間の累計実績は好調を持続しており、10月末段階で数量4万4389トン(前年同期比37%増)、金額117億円(同比50%増)と、平成20年の水揚げ不振で落ち込んでいた前年同期をいずれも大きく上回っている=上表参照=。近年の一応の目安となる年間5万トンまで約5000トン水準に迫っており、残る11、12月と2カ月を残す情勢のため達成は確実な情勢となっている。
サケ・マス類輸入は6%減の累計19万トンに
一方、サケ・マス類輸入実績は10月末時点で前年比6%減の18万9779トンとなった。
チリ産中心の冷凍ギン、トラウトの減少が目立つものの、北米、ロシア産主体の冷ベニが前年比2割増と健闘をみせ、前年対比では若干ながら減少幅を縮小した。
単価は依然として高値傾向を持続し前年比1割高の600円台を付ける。
卵製品はスジコ、イクラともに前年同期を大きく下回る水準にとどまっている。
(週刊サケ・マス通信 2010.12/10掲載)
秋サケ輸出
年間累計では5万トンの大台確実に
財務省貿易統計に基づく今年10月の秋サケ輸出実績は、主力の中国向けを主体に搬出盛期に入ったことで大きく拡大、単月で1万9160トンと前年同月を約4割上回る高水準の搬出を記録した。
新物スタートとなった9月は走りの低調な水揚げ動向を反映して1000トンを割り込む近年最低レベルの搬出となったが、水揚げの拡大に伴い輸出数量も一気に上向いた形。
ただ、順調な水揚げが続いたことでこの後も年末まで安定的に搬出された昨年の動向とは違い、今期は水揚げの減少とフィレ価格の高値、さらに急速な円高基調に見舞われるなど輸出環境は大きく悪化しているため、今後の搬出レベルは大幅な後退も予想される情勢だ。
年間の累計実績では昨シーズン物の年明け搬出分が好調に推移したこともあって、あと2カ月を残す10月末段階ながら4万トン台半ばに付けており、円高に伴う逆風が吹く中ながら本年は5万トンの大台突破が確実な状況となっている。
輸出キロ平均単価は310円と前年比13%アップ
10月単月の輸出実績の内訳は主力の中国向けが1万7715トンで全体の9割を占め、残るタイ向けが1021トン、ベトナム、南アフリカへ200トン弱などが主だったところ。
日本商社筋の委託加工が大半を占め、製品が日本へ再輸出されるタイ、ベトナム向け以外、中国向けの大半は製品化され欧米へ向かう。
単価は309円で、前年同期の274円に比べて13%アップ。今シーズン9月下旬からの水揚げ復調に伴って一気に搬出が本格化した格好だが、最悪のタイミングで円高が直撃。大部分が為替差損をかぶりながらの契約消化を余儀なくされていると思われる。
先行の北海道地区は10月半ば以降一部地区を除いて急速に水揚げが縮小し前年比2割減でほぼ終漁、続く岩手県も盛期に入り復調も減産傾向が避けられない状況となっており、今後輸出が大きく伸びる環境にはないため、11月以降の搬出実績が注目される情勢だ。
ただ、昨シーズンの順調な秋サケ水揚げと搬出状況を反映して年間の累計実績は好調を持続しており、10月末段階で数量4万4389トン(前年同期比37%増)、金額117億円(同比50%増)と、平成20年の水揚げ不振で落ち込んでいた前年同期をいずれも大きく上回っている=上表参照=。近年の一応の目安となる年間5万トンまで約5000トン水準に迫っており、残る11、12月と2カ月を残す情勢のため達成は確実な情勢となっている。
サケ・マス類輸入は6%減の累計19万トンに
一方、サケ・マス類輸入実績は10月末時点で前年比6%減の18万9779トンとなった。
チリ産中心の冷凍ギン、トラウトの減少が目立つものの、北米、ロシア産主体の冷ベニが前年比2割増と健闘をみせ、前年対比では若干ながら減少幅を縮小した。
単価は依然として高値傾向を持続し前年比1割高の600円台を付ける。
卵製品はスジコ、イクラともに前年同期を大きく下回る水準にとどまっている。
(週刊サケ・マス通信 2010.12/10掲載)