サケ・マス通信ブログ - 9月のサケ輸出 過去最低水準に落ち込む
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9月のサケ輸出 過去最低水準に落ち込む2010/11/05 1:30 pm
9月のサケ輸出 前年比4割減の980トン 貿易統計
不漁に円高追い討ちで過去最低
数量で4割、金額では3割に縮小
財務省貿易統計に基づく9月サケ輸出実績は数量で980トン、金額で2億6000万円となり、前年同月に比べて数量で4割、金額で3割と大幅に縮小した。
異常高水温の影響で道内の序盤の水揚げが振るわなかったことに加えて、今年9月から始まった15年ぶりとなる極端な円高基調の影響をまともに受けた格好で、通関時の輸出ドレス平均価格もキロ265円と4年ぶりの高値に。
新物の搬出がスタートとなる9月の実績が1000トンを割り込むのは、過去10年でも例がなく過去最低の水準。
昨シーズン復調傾向に転じたサケ輸出だが、今期については環境が整わないことなどから再び大きく低迷しそうな情勢だ。
輸出ドレス 4年ぶりの高値水準
平均価格は265円
この時期の秋サケ輸出は通年、新物と前年の在庫分が混在する形となるが、今期については昨年の強い引き合いなどから在庫は払しょくしており、ほぼ全量がドレス加工された新物とみられる。
今年9月の道内サケ水揚げは、高水温の影響で漁期スタートとなった8月下旬から9月半ばにかけてのほぼ1カ月間、漁は伸び悩み低調な出足に。
こうした状況に追い討ちをかけるように9月半ばからは急激な円高が進行し、一時は東京外国為替市場の円相場が1ドル81円台にまで上昇。輸出ドレスを扱う商社筋は、為替の差損をかぶりながらの契約消化を余儀なくされる厳しい情勢に陥っている。
9月単月で1000トンの大台を割り込むのは2002年の統計開始以降初めてで、近年にない逆風下での輸出環境を反映。キロ単価についても19年以降上昇傾向にある中、前年より1割ほど高い265円と4年前シーズンの275円に肉薄する高値を形成している。
搬出内訳は主力の中国向けが全体の約8割を占め752トンとなっており、このほか日本商社の委託加工場分が大部分を占めるタイに225トンが輸出されている。
今期輸出、大きく減少の公算か
今年22年1〜9月の累計実績は2万5229トンで前年同期比3割増。昨年は一昨年の不漁と高値が影響して年明けの搬出が伸びなかったが、昨シーズンの順調な水揚げに伴い9月以降伸長し最終的には5万トン台半ばの搬出を記録した。
今年に関しては水揚げの減少と円高に伴い今後の搬出が大きく伸びる要素がなく、前年の年明け搬出分の2万トン強がすでに搬出されてはいるものの、前年同様のペースでの伸びが期待できる環境になく、大きく減少に転じる公算が強い。
(週刊サケ・マス通信 2010. 11/02配信号に掲載)
不漁に円高追い討ちで過去最低
数量で4割、金額では3割に縮小
財務省貿易統計に基づく9月サケ輸出実績は数量で980トン、金額で2億6000万円となり、前年同月に比べて数量で4割、金額で3割と大幅に縮小した。
異常高水温の影響で道内の序盤の水揚げが振るわなかったことに加えて、今年9月から始まった15年ぶりとなる極端な円高基調の影響をまともに受けた格好で、通関時の輸出ドレス平均価格もキロ265円と4年ぶりの高値に。
新物の搬出がスタートとなる9月の実績が1000トンを割り込むのは、過去10年でも例がなく過去最低の水準。
昨シーズン復調傾向に転じたサケ輸出だが、今期については環境が整わないことなどから再び大きく低迷しそうな情勢だ。
輸出ドレス 4年ぶりの高値水準
平均価格は265円
この時期の秋サケ輸出は通年、新物と前年の在庫分が混在する形となるが、今期については昨年の強い引き合いなどから在庫は払しょくしており、ほぼ全量がドレス加工された新物とみられる。
今年9月の道内サケ水揚げは、高水温の影響で漁期スタートとなった8月下旬から9月半ばにかけてのほぼ1カ月間、漁は伸び悩み低調な出足に。
こうした状況に追い討ちをかけるように9月半ばからは急激な円高が進行し、一時は東京外国為替市場の円相場が1ドル81円台にまで上昇。輸出ドレスを扱う商社筋は、為替の差損をかぶりながらの契約消化を余儀なくされる厳しい情勢に陥っている。
9月単月で1000トンの大台を割り込むのは2002年の統計開始以降初めてで、近年にない逆風下での輸出環境を反映。キロ単価についても19年以降上昇傾向にある中、前年より1割ほど高い265円と4年前シーズンの275円に肉薄する高値を形成している。
搬出内訳は主力の中国向けが全体の約8割を占め752トンとなっており、このほか日本商社の委託加工場分が大部分を占めるタイに225トンが輸出されている。
今期輸出、大きく減少の公算か
今年22年1〜9月の累計実績は2万5229トンで前年同期比3割増。昨年は一昨年の不漁と高値が影響して年明けの搬出が伸びなかったが、昨シーズンの順調な水揚げに伴い9月以降伸長し最終的には5万トン台半ばの搬出を記録した。
今年に関しては水揚げの減少と円高に伴い今後の搬出が大きく伸びる要素がなく、前年の年明け搬出分の2万トン強がすでに搬出されてはいるものの、前年同様のペースでの伸びが期待できる環境になく、大きく減少に転じる公算が強い。
(週刊サケ・マス通信 2010. 11/02配信号に掲載)