サケ・マス通信ブログ - 大型クラゲの「発生源」を中国沿岸部で特定
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大型クラゲの「発生源」を中国沿岸部で特定2012/03/02 11:40 am
大型クラゲの「発生源」を中国沿岸部で特定
独立行政法人水産総合研究センターのクラゲ対策事業
独立行政法人水産総合研究センターはこのほど、近年日本沿岸に大量来遊して定置網など漁業に深刻な被害を出している大型クラゲの「幼体」を中国近海で発見したと発表した。生まれて10〜15日程度の生後間もない2ミリほどのサイズの個体を5個確認、これほど小さい幼体の発見は初めてで、これで「発生源」が特定。大型クラゲ出現予測技術の高度化に向けた調査研究の大きな一歩になると期待されている。
本事業は水産庁補助事業「大型クラゲ国際共同調査事業」の一環として行われたもので、中国漁業局、中国水産科学研究院の協力を得て昨春、東シナ海から黄海にかけての中国沿岸広域で大型クラゲの分布調査を委託実施した。
この結果、長江河口の外側の水域と江蘇省の沖合において、傘の直径が約2ミリの大型クラゲ幼体を5個体発見。これまでの調査では傘の直径が1センチ程度の幼体が中国・遼東湾奥や韓国西岸の群山沖で見つかった事例はあるが、これほど小さい幼体が見つかったのは初めて。形態の発達状態からいずれもポリプ(発育初期の段階)から遊離した後10〜15日を経過したものと推定された。
出現予測技術の高度化に弾み
生息場所が大型クラゲの発生源とも考えられるため、これまで「中国沿岸域」と推定されていた発生場所がはっきりと特定されたことになる。これは移動経路を海洋モデルによって推定するための貴重な基礎資料となるもので、仮に異常発生が懸念される場合に「どこにいつ頃までに到達するのか」といった事前対応などに役立てるための出現予測技術の高度化に応用できるものとして期待される。
(週刊サケ・マス通信2012年3月2日号に掲載)
独立行政法人水産総合研究センターのクラゲ対策事業
独立行政法人水産総合研究センターはこのほど、近年日本沿岸に大量来遊して定置網など漁業に深刻な被害を出している大型クラゲの「幼体」を中国近海で発見したと発表した。生まれて10〜15日程度の生後間もない2ミリほどのサイズの個体を5個確認、これほど小さい幼体の発見は初めてで、これで「発生源」が特定。大型クラゲ出現予測技術の高度化に向けた調査研究の大きな一歩になると期待されている。
本事業は水産庁補助事業「大型クラゲ国際共同調査事業」の一環として行われたもので、中国漁業局、中国水産科学研究院の協力を得て昨春、東シナ海から黄海にかけての中国沿岸広域で大型クラゲの分布調査を委託実施した。
この結果、長江河口の外側の水域と江蘇省の沖合において、傘の直径が約2ミリの大型クラゲ幼体を5個体発見。これまでの調査では傘の直径が1センチ程度の幼体が中国・遼東湾奥や韓国西岸の群山沖で見つかった事例はあるが、これほど小さい幼体が見つかったのは初めて。形態の発達状態からいずれもポリプ(発育初期の段階)から遊離した後10〜15日を経過したものと推定された。
出現予測技術の高度化に弾み
生息場所が大型クラゲの発生源とも考えられるため、これまで「中国沿岸域」と推定されていた発生場所がはっきりと特定されたことになる。これは移動経路を海洋モデルによって推定するための貴重な基礎資料となるもので、仮に異常発生が懸念される場合に「どこにいつ頃までに到達するのか」といった事前対応などに役立てるための出現予測技術の高度化に応用できるものとして期待される。
(週刊サケ・マス通信2012年3月2日号に掲載)